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16bitパソコンの普及
 これからのコンピュータ社会に向けて、授業にもコンピュータを取り入れるということで、通っていた高校にパソコン教室が出来た。そこにはFUJITSUのFM-16βがずらりと並び、1人1台16bitパソコン環境が用意された。5台のPC-8001mkIIは隅っこに追いやられ、パソコンクラブでもFM-16βを使うことになった。
 CPUは16bitの80186。5インチ2HDのフロッピーディスクドライブが2台。640×400 8色表示のカラーディスプレイ。キーボードに加え、マウスもある。プリンタはパソコン2台につき1台用意された。PC-8001mkIIから比べるとかなりのグレードアップだ。
 フロッピーディスクという物を初めて見る人が結構いて、磁性体部分を平気で触ったりしていたな。あと操作方法がわからない人。データレコーダと違って再生ボタンとか巻き戻しボタンとか無いからね。コマンドだけで使えるからカセットテープよりよっぽど便利。
 OSは当時普及しつつあった、デジタルリサーチ社のCP/M86だった。プログラミング言語はCP/M86上で動作するF-BASICだった。OSといってもそのころは何のためにあるのか、どういう役割があるのか知らなかったので、単にBASICを立ち上げるのに必要なものだと認識していた。BASICが立ち上がってしまえば、PC-8001mkIIのN80-BASICやX1turboIIのHu-BASICと同じように使えるからCP/M86なんて関係ない。
 マウスという目新しい物があったので、それを使ったグラフィックソフトを自分で作った。ラインを引いたり四角や丸を書いたり色を塗ったりする程度の物だったが、凄いという感じだった。マウス対応ソフトなんてまだほとんどなかった時代だから。

あこがれのFM音源
 当時人気のあった機種にはNEC PC-8801シリーズ、SHARP X1シリーズ、FUJITSU FM-77AVシリーズ等があったが、X1シリーズにだけFM音源が付いていなかった。同じSHARPのMZ-2500には付いているのに。オプションでも用意されていなかった。
 他の機種のゲームBGMはPSG音源に加え、FM音源で「本物の楽器の音」が出るのにX1はPSG音源の電子音のみ。他の機種がうらやましくて、パソコンショップに行ってはPC-8801mkIIFRやFM-77AVの前でデモソフトのBGMを聞いていた。

 そんなX1シリーズに待望のFM音源ボードが発売された。しかも、遅れただけあって性能がよい。他機種が3chモノラルのFM音源であったのに対して、X1のは8chステレオのFM音源だった。さらにヤマハのシンセサイザーにも使われたYM-2151というチップを採用していたため音質も良かった。
 大人気で商品が不足し、発売後2ヶ月ぐらいしてやっと買うことが出来た。X1turboIIの拡張スロットにFM音源ボードを挿入し、付属の音楽ソフトで演奏させてみる。パソコンの音とは思えないサウンドに感動した!
 FM音源対応のゲームソフトはほとんどなくて初期の頃には日本ファルコムの「ロマンシア」が対応していた。しかし、PC-8801mkIISR版のデータを流用したのか3chモノラルの曲だった。なかなかフル対応したソフトがなかったが、徐々にパートが増えたりステレオ対応になっていき、パソコンFM音源最高のゲームBGMが生まれていった。(日本ファルコムの「イースII」や「ソーサリアン」は最高です!)

 この時点でのX1turboIIスペック



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