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時代遅れの5インチフロッピー
 PC-9801FA2は、PC-9801RX21で使っていたフロッピーがそのまま使えるように5インチフロッピーモデルを買った。ノートパソコンの普及で3.5インチフロッピーもだいぶ普及してきたが、主流にはならないと思っていたのだ。3.5インチフロッピー自体新しいものではなく、初めてパソコンを使った1985年当時からあるものだ。だが、メディアの価格が高いため主流は5インチだった。
 しかし、デスクトップパソコンも5インチモデルより3.5インチモデルがメインになってきた。ソフトを買おうとすると3.5インチ版はたくさんあるのに5インチ版は少ない。そのため、ほしいソフトなのに5インチ版がなくて買えないということも増えてきた。ついに5インチフロッピーの最後が近づいてきたのか。

 ゲームソフトもハードディスクにインストールしてプレイできるものが増えてきていたので3.5インチドライブは1ドライブのものを買うことにした。2ドライブ専用ゲームだったら5インチにメディアコンバートして使えばいいし。
 2HD/2DD両用だったが、2DDとして使うためにはドライバを常駐させる必要があった。どうも、外付けドライブは2HDと2DDの自動認識をハード的に行えないようだ。
 これで、5インチ、3.5インチ関係なくソフトは買えるし、SB-55のディスクを直接読み込んだり書き込んだりすることも出来るようになった。

サンプリングで遊ぼう
 Windows 3.0 MMEにはサウンドレコーダ付いていたが、これを使うためにはPCM音源を搭載したサウンドボードが必要になる。純正ボードではPC-9801-73という物があった。これはPC-8801の「サウンドボードII」に対応するもので、FM音源6ch、SSG音源3ch、リズム音源6ch、PCM音源1chと豪華である。(もちろんステレオ対応。)リズム音源とは、あらかじめPCM録音されたドラムセットだ。さらにDSPを搭載し、サラウンドとかエコーなどのエフェクトにも対応した凄いボード。そのかわり値段も10万円近く高い。

 PC-9801FA2の内蔵サウンド機能(PC-9801-26K互換)を解放し、PC-9801-73をセットする。73サウンドボードは26Kサウンドボードの上位互換なので従来のゲームソフトなどにも対応できる。
 PCM音源で早速サンプリング。パソコンで録音再生が出来るのは何か不思議な感じ。以前からサンプリングできるパソコンはあったが、実際に自分のパソコンにサンプリング機能が付いたのは初めてだからな。意味もなくいろいろ録音して遊んだ。
 しかし、Windows 3.0 MMEが完全対応していないのか、モノラル録音しかできないのだ。すでにステレオで録音されたデータはステレオで再生されるのに。あと、録音時間が1分に制限されている。さらに、せっかくサラウンドやエコーがハードで出来るのに対応していない。ソフト的に変換してならしている。(変換時間がかかる。)
 それから、MIDI演奏をサウンドボードにさせることもできるが、ステレオFM音源6chやリズム音源に対応していない。つまり、26Kサウンドボードとしてしか使えないのだ。当然、ゲームソフトなども73サウンドボード対応なんてものはなく、機能は付いているけど使えない宝の持ち腐れ状態なのであった。

時代を先取りWindows3.1!
 新しいバージョンのWindowsが発売され、Windows 3.0からのアップグレード版Windows 3.1を購入した。たった、0.1のバージョンアップだが、内容はものすごく改良されている。  3.0ではアプリケーションエラーが起こるとWindows自体が固まって他のアプリケーション共々全滅だったが、3.1はエラーを起こしたアプリケーションだけが終了する形になった。ただし、他のアプリケーションもセーブなどをして速やかに終了させ、Windowsをリスタートさせる必要があるが。また、MS-DOSアプリケーションをウィンドウ表示で実行できるようになった。
 3.0ではMMEとして別売りだったマルチメディア機能が標準で添付されたり、立ち上げ・終了・エラー発生などのイベントでサウンドが鳴らせるようになった。スクリーンセーバも標準装備になった。フォントにTrue Typeが採用され、拡大しても美しいアウトラインフォントが実装され、見栄えも良くなった。アイコンも立体的になって見栄えが向上。
 アプリケーションのインストールもsetupで簡単に出来るようになった。3.0の時はアプリケーションごとにインストール方法がまちまちだったし、手動でファイルをコピーしてiniファイルをメモ帳で書き換えしなければならないのもあった。

 より簡単に使いやすくなり、信頼性も向上したが、まだまだDOSアプリケーションが全盛でWindowsユーザは少なかった。ただ、アプリケーションも徐々にWindows版が発売されるようになってきたので、自分の場合はMS-DOSとWindowsの使用比率が同じぐらいになってきた。
 それにしても、3.0の時は5枚組だったフロッピーが3.1はいきなり15枚組。True Typeフォントが増えたからだろうが凄いな。しかも、フロッピー版とCD-ROM版では同じ値段なのにCD-ROM版の方が入っているフォントが多かった。CD-ROMドライブがあればCD-ROM版買ったんだけどね。
 Windowsをより快適にするためにメモリも2MBytes増設した。

大画面だけど高い高解像度17インチディスプレイ
 本格的にWindowsを使うようになってくるとPC-9801シリーズ基本の640×400という解像度では満足に使えない。解像度を上げるためにはウィンドウアクセラレータボードというものが必要になる。これを入れれば解像度が上がるだけでなく、表示可能な色も増えて描画速度も速くなるという優れものだ。
 NECのPC-9801-85「ウィンドウアクセラレータボードB」というものを買うことにした。フルカラー表示が可能な「フルカラーウィンドウアクセラレータボードB」というものもあったのだが、高いのでやめた。

 そして、ウィンドウアクセラレータボードを入れるだけでは済まないのだ。ディスプレイが640×400専用なのでマルチスキャン(多解像度対応)のディスプレイに買い換える必要がある。最初は手頃な15インチディスプレイを買おうとした。しかし、実際に店頭デモなどで15インチディスプレイで1024×768表示しているのを見ると凄く字が小さい。これでは見づらいし目が悪くなりそう。
 友人が買ったのにつられたというのもあるが、思い切って17インチディスプレイを買うことにした。まだ、この頃は17インチディスプレイがほとんど普及していないため、発売しているメーカが少ない。しかも、値段が高い。NEC PC-KM171を20万円で買った!今だったら、30インチぐらいの大画面ディスプレイを買う感覚だ。

 余った、14インチディスプレイはPC-9801RX21用に使いたいところだが置く場所がないのでしまっておくことにした。将来、RXを実家に持っていったときのために。

足りないハードディスク
 PC-9801FA2を買うときに220MBytesの内蔵ハードディスクを買ったが、Windows 3.1を入れ、アプリケーションを入れ、サンプリングしたwavファイルが増え、あっという間にハードディスクが足りなくなった。
 300MBytesクラスのハードディスクもあったが、20万円近くするので、内蔵用と同じ220MBytesの外付けタイプを買うことにした。
 この頃は、ハードディスクを増設するというユーザが少なかったのか必ずSCSIインターフェイスボードがセットになっていた。ドライブのみというのがないのだ。従って、いらないSCSIインターフェイスが増えてしまった。ただ、内蔵用はPC-9801FA2のSCSIインターフェイス専用スロット用だったが、今回買った外付け用はCバススロット用なので取っておけば何かに使えるだろうということで保存しておく。

より高音質を求めたサウンドボード
 PC-9801-73サウンドボードを買ってまだそんなに経っていないが、失敗したなと思ったのは廉価版として登場したPC-9801-86サウンドボードにすれば良かったということだ。DSPがなくなりかなり低価格になった。それだけなら73サウンドボードでもいいのだが、PCM音源のサンプリング周波数がCDと同じ44.1KHzまでサポートされたことが大きい。さらに、マイク端子がつき、マイクも標準添付されている。
 将来性を考えて、買い換えてしまった。73サウンドボードはPC-9801RX21に入れることにする。

動画も取り込みビデオキャプチャ
 サウンド機能はだいぶ充実してきたので、今度は映像機能を強化することにし、値段もだいぶ手頃になってきたビデオキャプチャボードを入れることにした。以前、X1turboIIでは「カラーイメージボードII」でビデオ映像からの静止画取り込みをやっていたが、今度は動画である。もちろん音声も取り込める。
 ちょうど、インテルから「Video Charger 98」というビデオキャプチャボードのセットが発売された。Intel Indeo形式のハードウェア圧縮機能が付いているので、リアルタイムに圧縮してハードディスクに録画することが出来る優れものだ。Intel Indeo形式は画質も良いので結構期待できる。さらに、ビデオ編集ソフトなどがセットになっている。

 思っていた以上にきれいなビデオキャプチャが出来た。さらに、ビデオオーバーレイ再生をすれば、Windowsの環境に関係なくフルカラー、フルモーションの再生も可能だ。ただ、ビデオオーバーレイが640×480専用なので、いちいち解像度を切り替えなければならないという不便さがある。あと、リアルタイム録画はハードウェア圧縮がかかるのだが、ビデオエディタで編集後、セーブしようとするとソフトウェア圧縮になってしまうので凄く時間がかかる。
 さらに、ハードディスクが足りなくなるという問題が発生。増設したばかりだが、ビデオファイルはとにかく巨大なので、あまりキャプチャ出来ないな。
 不満点や問題点は結構あるが、画質に関しては問題ないので静止画取り込みにはかなり使えそうだ。テレビやビデオのお気に入りのシーンを取り込んだり、ビデオカメラを接続してスキャナ代わりにしたり。(スキャナとして使うことが多かった。)
 カラーイメージスキャナ代わりが実現できるので画質の荒いモノクロハンディスキャナは用済みとなって中古屋へ行く運命になった。

 ボードをセットするときの苦労話など・・・Cバススロットを4つフルに使う状況になり、他にもSCSIなど付けているので割り込み要求(INT)をぶつからないようにするのが大変だった。ボードによってはある特定のINTしか使えないのもあるのでうまく調整しなければならない。

CD-ROMドライブ買わないと
 「Video Charger 98」のセットに含まれる「Microsoft Video for Windows」にはサンプルビデオCD-ROMが添付されていた。他にもCD-ROMソフトが付いている。しかし、CD-ROMドライブを持っていなかったので(PC-Engineのはあるけど。)、使うことが出来ない。
 他の市販ソフトでもフロッピーディスク版よりCD-ROM版の方が安いとか、おまけが付いているとか有利な点が多かった。
 PC-EngineのCD-ROMドライブがパソコンに接続できればいいんだけどね。PC-8801は接続するオプション(PC-Engineからドライブをはずし、アダプタにセットする)があったのにどうしてPC-9801用は出さないんだ〜。それに、アメリカ向けではPC-Engine自体をパソコンのCD-ROMドライブにするSCSIアダプタを出しているのに。(結構好評らしい。)

 パソコン用に新たに買うしかないので、当時最高速だった2.2倍速CD-ROMドライブを買った。PC-Engineを使っていてCD-ROMは遅いというイメージがあったが、2.2倍速となるとかなり速く感じられた。一昔前のハードディスク並の速度はあったと思う。

 この時点でのPC-9801RX21スペック
 この時点でのPC-9801FA2スペック



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