JR東日本 快速「風っこループ2号」
乗車日時2013年9月7日(土) 10:00発、11:19着(1時間19分)
列車快速「風っこループ2号」 9722D
車両JR東日本 40系気動車「びゅうコースター風っこ」
乗車区間JR東日本:越後湯沢~(上越線)~水上
乗車券類乗車券 指定席券

 ここ何年か夏の終わり頃に上越線で運転される臨時列車「風っこループ」に乗車してみた。仙台支社のトロッコ風気動車「びゅうコースター風っこ」を使用して、越後湯沢~水上を「風っこもぐら」とペアで運転される。上り(越後湯沢発、水上行き)は清水トンネルの前後にあるループ線を走ることから「風っこループ」、下り(水上発、越後湯沢行き)は新清水トンネル内にある土合駅(地上から深いところにある。)を経由することから「風っこもぐら」となっている。(なお、他にも「××ループ」、「××もぐら」と名の付く列車がいくつか存在している。)
 本当は「風っこもぐら」にも乗車して往復するつもりだったのだが、満席だったので「風っこループ」のみ乗車した。

40系気動車「びゅうコースター風っこ」
 越後湯沢駅に停車中の40系気動車「びゅうコースター風っこ」。

40系気動車「びゅうコースター風っこ」
 キハ48形の改造車で正面は変わっていないが、側面は大きく開口されている

キハ40形気動車
 先頭には新潟支社のキハ40形気動車が連結されていた。オールロングシートの車両だった。控え車として連結されているようだ。
 ちなみに「びゅうコースター風っこ」は2両編成なのに指定席券を見ると3号車となっていたので、何だろうと思っていたら・・・これが連結されていた。

「びゅうコースター風っこ」の車内
 「びゅうコースター風っこ」の車内。座席は木製のベンチ、天井は内装が外されて鉄骨むきだし、照明は白熱電球となっている。

ビニールシート
 側面の開口部は、半透明のビニールシートで閉じることも出来る。(雨よけ用?)動作確認なのかビニールシートの開閉を行っていた。現在、ビニールシートで閉じられた状態。右に見える配電盤内のスイッチで開閉を行う。

ビニールシートスイッチ
 ビニールシートオープン。

ビニールシート
 ビニールシートが上がっていく途中。

座席
 木製ベンチのボックスシート。ドリンクホルダー付きのテーブルがある。側面は上が開口部で、下はガラスが入っている。足下まで外が見えるのでさらに開放的になっている。

ストーブ
 冬期に使用するストーブ。開口部にガラスをはめることも可能なようだ。

運転室仕切り
 運転室との仕切り壁。ちょっと曇っているが鏡のように反射する壁なので、車内の広がりが感じられる・・・?

 いよいよ越後湯沢駅を発車。しばらく上り勾配が続くため、ディーゼルエンジンを唸らせて走行していく。窓ガラスがないためエンジン音が大きく聞こえる。わたらせ渓谷鐵道や嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車に乗ったことはあったが、自ら動力(エンジン)を持った自走式トロッコ列車は初めて。ディーゼルエンジン音を堪能できて、また違った楽しみがある。


車窓風景
 田園風景の中を進む。速度は通常の列車より遅いので、心地よい風が入ってきて気持ちがいい。

越後中里駅通過
 越後中里駅を通過中。進行方向左には隣接する越後中里スキー場の休憩施設として使われている旧型客車が見える。

 越後中里駅を通過すると、しばらくして上下線が分かれる。複線化の際に新たに作られた下り線は大きく回り込んで山を登っていくが、上り線はループ線で山を登る。最初のトンネルは第二松川トンネルで、右方向(反時計回り)にずっと曲がっていくのがわかる。第二松川トンネルを抜けてしばらくすると第一松川トンネルに入る。


第一松川トンネル走行中
 第一松川トンネルを走行中。このトンネル内で下を通る第二松川トンネルと交差しているはず。(実際には見えないので地図で確認。)

第一松川トンネル走行中の車内
 第一松川トンネルを走行中の車内。トンネル内はヒンヤリしていて涼しいのだが、吹きさらしのトロッコ車両では冷たい風が直接当たるためかなり寒い

 第一松川トンネルを抜けると下り線と合流し、土樽駅を通過する。

清水トンネル進入
 土樽駅を通過すると再び上下線が分かれ、上り線は清水トンネルへ進入する。下り線は新清水トンネルから出てくる。
 清水トンネルは通過するのに16分かかった。ディーゼルエンジンの轟音と寒さに耐えられないのか、乗客の一部は先頭の控え車に逃げ込んでいるようだった。


土合駅
 清水トンネルを抜けると約2分の遅れで土合駅に到着。ここで、15分ほど停車するので降りてみる。

土合駅上りホーム
 対向式1面1線の土合駅上りホーム。昔は島式1面2線だったが、駅舎寄りの線路が撤去されている。下りホームは地下の新清水トンネル内に有るため、ここからは見えない。

踏み板
 土合駅のホームはかさ上げされて電車ホームになっている。40系気動車は高さの低い列車ホーム(電車列車共用ホーム)に対応するため、乗降口にステップがある。そのため、電車ホームだとステップ部分が逆に低くなってしまう。気をつけないと足を踏み外す恐れがあるのだが、この列車では低いステップ部分に踏み板を置いて電車ホームから車内の床までスロープ状になっていた。

キハ40形気動車
 土合駅に停車するキハ40形気動車。普段ここには気動車が走ることがないので、珍しい光景だ。

 土合駅を発車する。4両編成程度が止まれる長さを過ぎると、かさ上げされていないホーム(電車列車共用ホーム)に変わる。短編成の列車しか走らない現在では使用しない部分だ。そして、一旦ホームが切れるが、直ぐにまた草木に埋もれた古いホームが現れる。15年ほど前に土合駅構内で土砂崩れがあって分断されたホームだと思われる。かつては長い編成の列車が土合駅に停車していた名残だ。
 土合駅を離れると第四湯桧曽トンネルに入る。第四湯桧曽トンネルを出ると直ぐに第三湯桧曽トンネルへ。第三湯桧曽トンネルを出ると単線時代に使用されていた旧・湯桧曽駅を通過する。1967年の複線化で現在の位置へ駅が移設され、廃止になったホームが進行方向左側に見える。列車は徐行し、車内放送で案内された。

ループ線から見た線路
 旧・湯桧曽駅を通過してしばらくすると進行方向右側の下の方に、ループ線で緩やかに勾配を降った後に通る線路が見えてきた。
 新潟県側のループ(松川ループ)はトンネル内だったので交差するところが見えないが、群馬県側のループ(湯桧曽ループ)は交差する線路が見える。

 列車は第二湯桧曽トンネルと第一湯桧曽トンネルを通り、左回りのループでなだらかに勾配を降りていく。


ループ線を見る
 第一湯桧曽トンネルを抜けて湯桧曽駅へ到着すると、後方に先ほど通ったループ線の線路が見える。

上毛かるた
 ところで、群馬県には「上毛かるた」という郷土かるたがあり、「る」の札が「ループで名高い清水トンネル」となっている。絵札には湯桧曽駅付近から見たアングルでループトンネルが描かれている。
 しかし、清水トンネル自体はループしておらず、前後の松川トンネルと湯桧曽トンネルがループしているのだ。「上毛かるた」のこの札は、かなり誤解を招くと思う。知らなければ絵札に描かれたループトンネルが清水トンネルだと思うだろうが、実際には第一湯桧曽トンネルと第二湯桧曽トンネルなのだ。
 一応、札の裏にある解説には「清水トンネルの次の湯桧曽トンネルはループ式になっていて珍しい形式である。」と書かれているけど・・・

新清水トンネル
 湯桧曽駅を発車すると、進行右後方に下り線の新清水トンネル入口が見える。

転車台
 進行方向右側に転車台が見えると、まもなく終点の水上駅に到着する。

乗車記念カード
 乗車記念に配布されたカード。キハ48形「びゅうコースター風っこ」、群馬県、「だるまる」(JR東日本高崎支社のキャンペーンキャラクター)が描かれている。

水上駅
 改札口から外へ出ると、水上駅は工事中だった。

 再び水上駅の改札口を入り、折返し越後湯沢行きになる「風っこもぐら」の発車を見た。


JR東日本 快速「リゾートビューふるさと」(長野発) 出口