JR東日本 快速「SLみなかみ」
車両
JR東日本12系客車(D51 498牽引)
路線
上越線 高崎〜水上
乗車日時
2010年7月31日(土) 9:56発、12:04着(9735レ)
乗車券類
Suica(運賃)
SLみなかみ指定席券

 高崎〜水上を土日休日などに運転している快速「SLみなかみ」。D51 498号機が牽引するSL列車だ。地元を走っているので前から見ることはたくさんあったが、乗ったことがなかったので乗ってみた。なお、前は「SL奥利根」だったが、いつの間にか「SLみなかみ」に変わったようだ。

単機回送されてきたD51 498号機  快速「SLみなかみ」の編成は機関車と客車がばらばらに高崎駅へ入線してくる。D51 498号機が単機で1番線と2番線の間の線に停車中。
 隣のE231系1000番台電車が発車後、ディーゼル機関車の推進で12系客車が入線する。その後、D51 498号機が12系客車に連結されると発車準備が完了だ。


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JR東日本 D51 498号機 連結(高崎駅) (YouTube)

高崎駅コンコースの発車案内表示  高崎駅コンコースにある発車案内表示では「SLみなかみ号」となっている。


高崎駅2番線ホームの発車案内表示  しかし、高崎駅2番線ホームの発車案内表示では「SL水上号」となっている。何で、コンコースとホームで表示が異なっているのだろう?


12系客車の行き先表示  もちろん、12系客車の行き先表示は「快速 SLみなかみ」となっている。
 なお、「快速」と言っても速いわけではない。同区間を走る各駅停車の普通電車より2倍ぐらい時間がかかるのだ。通過駅はあるが、速度が遅い。この場合の「快速」は通過駅がある(各駅停車でない)という意味でしかない。


12系客車  12系客車はイベント仕様などに改造されていない原型なもの
 指定された席は1号車。下り列車なので一番後ろの車両だ。SL列車だがSLから一番遠い車両。かすかに汽笛は聞こえるが、それ以外の走行音は特にSLらしさはない。発車・停車時の前後の揺れがSLらしさだろうか。加速は遅いが、新前橋駅までは比較的平坦な地形なので速度が速い。


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JR東日本 快速「SLみなかみ」 車窓風景(高崎〜井野、他) (YouTube)

記念乗車証  高崎を出発してしばらくすると係員から記念乗車証が配られる。硬券の乗車券風だ。「こくてつ JNR」の地紋が入った国鉄時代の切符が再現されている。


 新前橋駅を発車すると車掌が検札に来た。指定券だけを提示したら乗車券も求められたのでSuicaを見せたが、Suicaの中身まではチェックしなかった。ちなみに、快速「SLみなかみ」の運転区間は全区間Suicaエリア内なので、指定券を買えばSuicaでも乗車できるのだ。日本の各地でSL列車が運転されているが、ICカード乗車券で乗車できるSL列車は快速「SLみなかみ」と、同じ編成で高崎から横川まで運転される快速「SL碓井」だけだろう。

 車掌の検札が終わると、しばらくして景品をかけたジャンケン大会が始まった。SLが牽引しているとはいえ、あまりイベント性の感じない列車なので、ジャンケン大会があるとは思わなかった。車両毎に係員がやってきて非売品のSLグッズをかけてジャンケンを行う。係員VS乗客でジャンケンをして負けた人は脱落、勝ち抜いた乗客が数人になるまで繰り返す。最後は残った乗客同士でジャンケンをして勝者を決める。自分は1回目で脱落。

 群馬総社駅を過ぎたあたりから勾配がきつくなってきて速度も遅くなってくる。

快速「SLみなかみ」  渋川駅に停車中の快速「SLみなかみ」。渋川駅では約30分停車するので、記念撮影などができる。


D51 498号機運転室側面のプレート  D51 498号機運転室側面のプレート。ナンバープレートの下にはメーカープレートがあり、昭和15年に鉄道省(国鉄の前身、現在の国土交通省)の鷹取工場で製造されたことがわかる。メーカープレートの下には検査の表記がある。平成18年10月に大宮総合車両センターで検査済み。「高」のプレートは所属(高崎車両センター)を表す。
 四角囲みのPとPsは装備するATSの種類を表す。ATS-P(デジタルパターン制御式、首都圏向け)とATS-Ps(ATS-S上位互換のパターン制御式、地方線区向け)を装備。快速「SLみなかみ」はATS-Pで運転される。今のところATS-Pを装備したSLはD51 498号機だけだ。


D51 498号機運転室  D51 498号機の運転室を覗いたところ。配管やアナログメーターがたくさんある。上の方にはATS-P表示器やATS-Ps表示器もある。古い車両でも最新の保安設備が導入されている。


D51 498号機と12系客車の連結部  D51 498号機と12系客車の連結部。連結器の下にあるエアーホースがブレーキ管。電車などと違って電気的に接続する必要がないので、基本的にはブレーキ管を接続するだけだが、他にジャンパーケーブル(手前に見えるケーブル)が接続されている。D51 498号機の車軸温度をモニタリングするためのもので、12系客車の乗務員室に設置されたパソコンで計測している。走行中に異常加熱すると重大な故障になりかねないので監視が必要なのだろう。


12系客車の車内  12系客車の車内は外観と同様に原形を保っている。昔ながらのボックスシートだ。


12系客車の洗面所  外観や客室から、原型のまま変わっていないと思っていた12系客車だが、トイレと洗面所はリニューアルされていた。トイレは洋式便器化され、洗面所は自動給水栓になっている。


力強く走行するD51 498号機  渋川駅を発車するとさらに勾配がきつくなった感じ。D51 498号機が力強く列車を牽引する。
 この写真は一番後ろの車両からカーブ地点で撮影したもの。あまりSL列車らしさを感じない最後尾車両だが、自分が乗っている列車の牽引機が見られるメリットがある。


 トンネルが多くなってくるので窓を開けないように注意する放送も入る。SL列車でトンネルを走行するのは初体験だったが、トンネル内が煙で充満するのがわかる。窓が閉まっていても煙の臭いがかすかにしてくるし、トンネルを出ると車体にまとわりついた煙が広がっていくのがよくわかる。

 終点の水上駅に到着すると、すぐにD51 498号機は客車から切り離される。そして、越後湯沢側にある機関車整備場に移動する。

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JR東日本 D51 498号機 回送・整備(水上駅) (YouTube)

整備中のD51 498号機  水上駅構内の越後湯沢側にある機関車整備場。ここで、D51 498号機は給水や灰の排出、点検などが行われる
 背後には越後湯沢方面からやってきた新潟色の115系電車が水上駅に到着するのが見える。


機関車整備場  D51 498号機の整備や転車台での方向転換などが見学できるように整備されている。ここは駅の改札外なので誰でも自由に無料で見学可能。


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