北上線 普通(その2)
種別・番号・名称
普通列車 734D
車両
JR東日本 100系気動車
路線
JR東日本 北上線 ほっとゆだ〜北上
乗車日時
2011年7月16日(土) 14:33発、15:16着(43分)
乗車券類
JR東日本パス

100系気動車  ほっとゆだ駅から乗車するのも100系気動車キハ100形。しかし、横手〜ほっとゆだで乗車したものと違う後期型だ。スカートの形が違うので分かる。


キハ100形の車内  キハ100形後期型の車内。4人ボックスが両側にあるのは初期型と同じだが、天井の作りが110系気動車200番台(一般形)と同様になっている。


 横手〜ほっとゆだの車内は空いていたが、今度の列車は混雑している。時間帯の関係だろう。学校帰りの学生が多く乗車していた。

後方展望  座れないわけではなかったが、車両後部が空いていたので後方展望を楽しむことにした。
 110系気動車では運転席横(助手席側)が仕切られる構造になっているが、キハ100形は助手席側が乗降ドアになっている(乗降ドアの位置が運転席分、左右でずれている。)ので、自由に立ち入ることができる。


後方展望  シャッタースピードを落として流し撮りしてみた。スピード感のある写真になった。結構軽快に走るので、実際そんなに遅くはない。


 終点の北上駅が近づいてきたところで前方へ移動。初めてATS-Psの動作を見た。
 ATS-PsはJR東日本が東北地方などの地方線区に導入している新しいATSだ。従来のATS-Sn上位互換で、首都圏などに導入しているATS-Pと同様なパターン制御を実現している。ATS-Pほど高機能ではないが、安全性は同等になっている。普段、首都圏の列車に乗っていてATS-Pの動作は見ているので、どんな違いがあるのか観察してみた。
 運転席のATS-Ps表示器はLEDバーグラフになっている。走行速度が緑色のバーで左側から伸びてくる。そして制限速度が黄色のバーで右側から伸びてくる。現在のブレーキパターン速度をリアルタイムに見ることができるのが、ATS-Pと違うところだ。緑色のバーと黄色のバーが接触するとブレーキパターンに当たったことになり、非常ブレーキがかかる。運転士は緑色と黄色のバーが接近しないように運転する必要がある。
 北上駅の北上線ホームは列車がぎりぎり止まれるぐらいの短い行き止まりホームになっている。車止めぎりぎりで停車するため、ATS-Ps表示器のブレーキパターンバーが右側からどんどん攻めてくる。運転士はそれにぶつからないように減速させる。ホームに進入すると、さらにブレーキパターンが停止ぎりぎりまで近づいてくる。パターンにぶつかれば即非常停止なので、列車は止まりそうな超低速で進む。(到着が遅れているわけではないが、乗り換え列車の時間に余裕がないので、じれったい感じ!)
 従来のATS-Snなら確認扱いさえしてしまえば、後は運転士次第なのでギリギリまでスピードを出して止まることができた。その代わり運転士がブレーキ扱いミスをすれば車止めに突っ込む危険性もあった。ATS-Pならパターンにぶつかっても常用最大ブレーキがかかって減速するだけなので、ここまでノロノロ運転になることはない。このATS-Psの運転動作を見ていると、まるで「電車でGO!」などの列車運転ゲームで停車位置を通り過ぎるのを恐れたばかりに早めに減速しすぎてしまい、再加速すると減点なのでノロノロ運転をしている感じに似ている。さらに、停車位置に到達する前に止まりそうになって、結局再加速をやってしまうという所までそっくり。実際、北上駅への到着でもホームの中程で一瞬再加速した。(再加速が減点なのはあくまでもゲームであって、実際は問題ない。)
 安全性重視の取り扱いだから仕方が無いので、乗客はのんびり待つしか無い。列車運転本数の少ないローカル線だから、これでも良いのだろう。首都圏のような運転本数の多いところは高コストでもATS-Pを導入、ローカル線は低コストなATS-Psで安全性を確保というJR東日本の方針を実感した瞬間だった。

北上線 普通(その1)
出口
東北新幹線「やまびこ280号」

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