JR東日本 快速「リゾートビューふるさと」(長野発)

乗車日時2013年9月21日(土) 9:04発、11:47着(2時間43分)
列車快速「リゾートビューふるさと」 8230D~(松本)~8361D
車両JR東日本 HB-E300系気動車「リゾートビューふるさと」
乗車区間JR東日本:長野~(信越本線)~篠ノ井~(篠ノ井線)~松本~(大糸線)~信濃大町
乗車券類乗車券 指定席券

 「鉄子の旅」という漫画で日本三大車窓の一つである姨捨を知った。篠ノ井線のこの区間は16年前に特急「しなの」へ乗車したときに通過しているのだが、あまり印象に残っていない。そこで、まだ乗車したことがなかった快速「リゾートビューふるさと」に乗ってみることにした。

発車案内表示器
 長野新幹線で長野駅へ到着し、快速「リゾートビューふるさと」が発車する5番線へ。この列車は南小谷駅行きだが、今回はスケジュールの都合で、途中の信濃大町駅まで乗車する。

HB-E300系気動車「リゾートビューふるさと」
 HB-E300系気動車の2両編成で運転される快速「リゾートビューふるさと」。なお、この列車は列車番号が「D」の「気動車列車」であるが、走行区間は全て電化されている

「リゾートビューふるさと」のマーク
 車体側面にある「リゾートビューふるさと」のマーク。車両愛称である「リゾートビューふるさと」が、そのまま列車名になっている。LED行先表示器の「リゾートビューふるさと」は車体マークと同じ字体で表示されている。

「リゾートビューふるさと」の車内
 「リゾートビューふるさと」の車内。座席は回転リクライニングシートとなっていて、特急列車として運転しても遜色ないレベル

「リゾートビューふるさと」の座席
 回転リクライニングシートにJR東日本の特急車両では標準となっている座面スライド機能は無いが、シートピッチは普通車なのに1,200mmもあってグリーン車レベルだ。

「リゾートビューふるさと」の座席
 シートピッチがゆったりで、運賃と指定席料金510円だけで乗れる快速列車の普通車としてはグレードの高い座席。JR東日本が運転する多くのリゾート列車(ジョイフルトレイン)は設備の割に安価で利用できる快速列車なのがいいね。

液晶モニター
 天井から下がっている液晶モニター。運転室に設置されたカメラの映像が表示されている。他に、観光案内なども流れる。

展望室
 運転室後方には展望室がある。

HB-300系気動車の運転台
 HB-300系気動車の運転台。気動車ではあるがハイブリッド車なので、計器やモニターの配置、左手ワンハンドルマスコンなど、JR東日本の電車とほぼ同じになっている。
 ドア閉ランプ(緊急ボタン下)に「発車合図ブザー確認」と書かれている。JR東日本では、電車の場合はドア閉ランプ点灯(ブザー合図無し)で発車。気動車の場合はブザー合図で発車することになっている。ハイブリッド車は電車のようだけど気動車扱いなので間違えないように書かれているのだろう。

 乗車したのは2号車の一番後ろの席。直ぐ後ろは展望室だ。乗客は多かったが、満席ではなかったようだ。
 長野駅を発車。走行システムは小海線で乗ったE200形気動車と同じで、発車するときはVVVFインバーター制御電車と同じ音がする。そして、速度が上がってくるとディーゼルエンジンが起動。

 篠ノ井線に入り、姨捨駅が近づいてくると進行方向左側に日本三大車窓の景色が広がってくる。結構高いところを走って長野盆地(善光寺平)を見下ろす状態。さすがに日本三大車窓と言われるだけあって雄大な風景だ。
 姨捨駅は急な勾配の途中にあるため、ホームを水平にするためスイッチバック構造になっている。列車は勾配を登って姨捨駅の横を通過する。そして、停車後、進行方向が変わって水平になっている駅ホームへ入線する。スイッチバックの距離が短いためか、JR九州・肥薩線のスイッチバックのように前後の運転台を運転士が移動することはなく、バック運転でスイッチバックする。そのため、進行方向が変わるまでの待ち時間がほとんど無い


姨捨駅停車中の「リゾートビューふるさと」
 姨捨駅に停車中の「リゾートビューふるさと」。長野発の列車は長野盆地側のホームに到着して15分停車するので、ゆっくり景色を楽しむことが出来る。

長野盆地(善光寺平)の風景
 姨捨駅のホームから見た長野盆地(善光寺平)の風景。


姨捨駅の駅名標
 姨捨駅の駅名標と長野盆地(善光寺平)の風景。

 姨捨駅に到着する前の案内放送で、姨捨駅来駅記念入場券を発売していると案内していたのを思い出した。発車時間まで残り5分ぐらいになっていたが、急いで跨線橋を渡り反対側のホームにある駅舎へ。先客がいたので時間が気になったが、何とか購入できた。

姨捨駅を発車
 姨捨駅を発車したところの後方展望。線路の先は行き止まりになっている。

車内販売メニュー
 姨捨駅を発車したところで車内販売を利用してみた。車内販売メニューはアテンダント手作りのA5サイズで、乗客一人一人に配られる。
 あぶりいかチーズ \200と信州りんごジュース(160ml) \150とをSuicaで購入した。

進行方向変更
 松本駅では12分停車する。ここで篠ノ井線から大糸線へ入るため、進行方向が変わる。一番後ろの席に座っていたが、座席を回転させて一番前の席になる。すると、前が壁(展望室とのパーティション)になったため、足下が狭くなった!(前が座席の時は足が座席下に入るので広い。)

運転室
 先頭になる2号車の運転室では運転士が準備中。前面窓右上に何か表示器のようなものが下がっている。「ワンマン」表示器っぽいが・・・長野駅を発車した時点ではそんな表示はなかった。大糸線内はワンマン運転のようだ。
 あと、運転台上部の2面モニターが表示されている。地下鉄など都市型ワンマン運転路線では、ドアを閉めるときにホームの状態を監視するモニターが付いているが、「リゾートビューふるさと」では何が表示されているのか。

運転台上部の2面モニター
 運転台上部の2面モニターに映っているのは・・・?なんだこれ・・・一瞬なんだかわからなかったが、デッキを真上から見たところだ。一般型(ロングシート・セミクロスシート)の車両と違い、運転士から乗降客の状況が見えないのでデッキの監視モニターがあるのだろう。

 松本駅を発車すると次は穂高駅に停車する。ここでは27分間停車し、希望者は穂高神社への参拝が可能だ。

穂高駅
 穂高駅に到着したので列車から降りて出口へ向かう。改札口では穂高神社の巫女さんがお出迎え。

穂高神社の巫女さん
 穂高駅の前でしばらく待っていると、改札口にいた巫女さんが出てきて改めて挨拶。

穂高神社の巫女さん
 巫女さんの先導で穂高神社へ向かう。

穂高神社
 穂高神社に到着。お参りなどをして、列車の発車時刻までに駅へ戻る。帰りは巫女さんの先導はなく、個々に駅へ向かう。

穂高駅
 穂高駅へ戻ってきた。社殿造りの駅舎は1940年(昭和15年)に建てられたものだが、2010年にリニューアルされたため古さを感じない

 それにしても、団体ツアーではなく、旅行商品を利用しているわけでもなく、普通にみどりの窓口で買える快速列車の指定席券(510円)なのに、駅から出て観光まで出来るのは珍しい。

リゾートビューふるさと
 穂高駅に停車中の快速「リゾートビューふるさと」。前面窓左上に「ワンマン」表示が出ている。ちなみに、ワンマン運転と言ってもドアの開閉など運転業務を運転士が行うだけ。指定席券の確認のために車内改札する車掌は、大糸線内も引き続き乗務しているようだ。

 穂高駅を発車するとき、ホームで手を振る巫女さんの姿が!穂高神社からの帰りは巫女さんの先導がなかったので、もう来ないのかと思っていたら、わざわざ見送りに来ていた。

民話の語り
 穂高駅を発車すると先頭車の展望室で車内イベントが始まった。日によって内容は異なるが、今日は「もんぺの会」による民話の語りが行われた。
 一番前の席なので目の前で見ることが出来た。なお、このイベントの様子は天井から下がっている液晶モニターで放映されるので、後ろの車両の人でも鑑賞可能だ。

 姨捨駅のスイッチバックや日本三大車窓、穂高神社への参拝、そして車内イベント。いろいろな趣向で楽しめた。

信濃大町駅
 快速「リゾートビューふるさと」を下車した信濃大町駅。


JR東日本 快速「リゾートビューふるさと」(長野行) 出口