桃花台新交通
車両
桃花台新交通100系電車
路線
桃花台新交通 小牧〜桃花台東
時刻
10:02発、10:17着
乗車日
2005年8月9日(火)

小牧駅  桃花台新交通「ピーチライナー」の始発駅である小牧駅。奥には名鉄小牧線の小牧駅がある。


小牧駅改札口  小牧駅の改札口。人気が無く閑散としている。通勤が終わった時間とはいえ、乗客が少なすぎる。利用が低迷しているとは聞いていたが・・・


ホーム  ホームドアがある新交通システムとしては一般的な構造のホーム。


 車内はまばらに乗客が乗車している感じ。通勤時間帯にどれだけの利用者がいるのかは知らないが、この時間帯は明らかな過剰輸送力だ。
 終点までは15分程度の短い距離。運転は運転士による手動運転。乗っている分には特に変わったことはない。だが、この桃花台新交通は他の新交通システムとはちょっと違った特徴がある。

ホーム  これが桃花台新交通の軌道だ。左右に走行輪が乗る走行路があり、中央にガイドレールがある。車両の下に付いたガイド輪でガイドレールを左右から挟み込む構造。ちょっと複雑な感じ。
 一般的な新交通システムの軌道は、走行路は平面で左右にガイドレールがあるシンプルな構造だ。
 桃花台新交通に採用されているのは日本車輌が開発した「VONA」と呼ばれるシステム。「VONA」を採用しているのは桃花台新交通と山万ユーカリが丘線だけだ。


列車のドアがない側  そして、車両の構造にも特徴がある。停車中の列車を見ると・・・ドアが一つもない!ホームのない側にはドアが付いていないのである。ホームは常に進行方向に対して右側にあり、ドアも右側にしかない。バスでは当たり前の構造だが鉄道車両では珍しい。


 ホームが島式または対向式に統一されていても、開くドア(ホーム)は行きと帰りで必ず左右が反対になるのが普通だ。ところが、桃花台新交通では常に右側にホームがある。これもこの路線の特徴の一つで、両端の駅に向きを変えるループ線があり、列車は常に同じ方向に走っている。(終点の駅で前後が入れ替わらない。)

ムービーライブラリ
桃花台新交通100系電車走行(桃花台東駅) (YouTube)

先頭車両  先頭車両は運転台があり、傾斜のあるスタイルになっている。


後尾車両  しかし、後尾車両は回送用の簡易運転台で、平らなスタイルになっている。常に同じ方向に走るので前後でスタイルが異なるのだ。これも鉄道車両では珍しい。


後尾車両の車内  後尾車両の車内。最後部にはカバーで覆われた簡易運転台がある。運転方向が固定なので座席は全て同じ方向の固定クロスシート


 桃花台新交通は利用客が低迷していることもあり、輸送力過剰になっている。一時はトヨタ自動車が開発し、愛知万博でも走っていたIMTSに転換するという案も出た。これなら無人運転で人件費削減が出来る。また、時間帯によって編成車両数を増減させることも出来るので輸送力が適正に出来る。しかも、桃花台新交通の特徴である終端駅のループ線はIMTSでも必要な物なのでちょうど良い。
 しかし問題はやはり予算。桃花台新交通がVONAでなく一般的な新交通システムなら軌道がほぼそのままIMTSに再利用出来ただろう。(駅部分でホーム高さを合わせる必要はあるが。)だが、軌道の大幅な改修が必要になるためIMTSへの転換には厳しい物がある。
 結局、廃止の方向で話が進んでいるようである。人がほとんどいない過疎地を走るのなら仕方がない。しかし、沿線住民はいるのだ。自家用車の利用をやめて桃花台新交通を利用するようになれば存続出来るかも知れない。せっかく造った軌道が無駄になるし、環境に優しい公共交通機関を無くしてしまうのは時代に逆行しているようで残念だ。

つくばエクスプレス
出口
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