寝台特急「はやぶさ」
種別・番号・名称
寝台特急列車 1レ〜41レ はやぶさ
車両
JR九州 14系客車
路線
JR東日本 東海道本線 東京〜熱海
JR東海 東海道本線 熱海〜米原
JR西日本 東海道本線 米原〜神戸
JR西日本 山陽本線 神戸〜門司
JR九州 鹿児島本線 門司〜熊本
乗車日時
2009年2月3日(火) 18:03発、4日(水) 11:49着(17時間46分)
乗車券類
乗車券・特急券・B寝台券

 東京駅を18:03に発車する寝台特急「はやぶさ・富士」は17:21に10番線へ入線する。入線するところから見るために早めに東京駅へ向かった。まず、食料と飲料を買い込む。かつては食堂車があったが利用客の低迷により現在はなし。さらに、車内販売すらないという状況。廃止まで約1ヶ月とあって賑わっているが、本来はガラガラなのだろう。17:00頃に10番線ホームの先頭部分へ行って入線を待つ。撮影目的の人がだんだん集まってくる。NHKの取材カメラも来ていた。廃止の取材にしては早すぎる気もするが・・・

E491系電車  「はやぶさ・富士」の入線を待つ間、向かいの9番線にE491系電車「East-i_E」が入線。思わぬ珍客に注目が集まった。


入線する寝台特急「はやぶさ・富士」  17:21、EF66形電気機関車に牽引された14系客車の「はやぶさ・富士」(回送)が、新橋側から10番線へ入線してきた。編成は九州側の6両が「はやぶさ」、東京側の6両が「富士」。つまり、回送列車は機関車+「富士」+「はやぶさ」の順で編成されて入線してくる。回送列車で先頭になっている部分は東京を出発するときには客車側になるため、ヘッドマークは反対側に取り付けられている。


ムービーライブラリ
寝台特急「はやぶさ・富士」回送入線(東京駅) (YouTube)

機関車付け替えを待つ寝台特急「はやぶさ・富士」  貫通扉に「はやぶさ」のマークが表示された回送列車の最後尾。こちら側が先頭になって出発する。機関車の付け替え作業が行われるため、まだ車内に入ることはできない。


9番線に回り込む機関車  切り離された機関車は神田側に引き上げた後、向かいの9番線を通って新橋側へ向かう。


客車に連結される機関車  新橋側に引き上げた機関車が再び10番線へ入ってきて、客車の新橋側に連結される。これで、機関車+「はやぶさ」+「富士」と編成された状態になる。
 17:45頃に連結が終了すると客車のドアが開き乗車可能となる。


客車から見た機関車  客車の先頭部デッキから見たEF66形電気機関車。


通路  乗車したのは機関車後ろの1号車。B寝台喫煙車である。個室が希望だったが突然の手配だったため空いているわけもなく、開放型のB寝台だ。しかも、禁煙車が満席で喫煙車になってしまった。たばこを吸う人が少ないことを祈るしかない。
 そして、この列車は14系客車である。1号車なので予想はしていたが、電源エンジン付きの車両だ。(スハフ15のトップナンバーだった。)


寝台  指定された寝台は下段。今まで乗った寝台列車は出発が遅い時間のものばかりだったので、乗車してから寝るまでの時間が短かった。今回は出発が早い時間なので寝るまでの時間が長い。だから、下段の方がくつろぎやすいと思って、上段も空いていたが下段を指定した。
 しかし、電源エンジンの真上になるとは・・・「ダダダダダ・・・」というディーゼルエンジンの音がうるさい。10年以上前に寝台特急「北陸」(JR東日本14系客車)に乗車したときも電源エンジン付きの車両だった。そのときは結構防音になっていて「グーーーーーー」という低い音だったが、この差は何だろう?そういえば「北陸」に乗ったときは床がカーペット敷きになっていた。(今日の車両は普通の床だ。)リニューアル工事で防音も行っていたのかもしれない。


 車内の暖房はかなり強力。ジャンパーもセーターもいらない。浴衣と薄い毛布で寝ても寒くない温度設定なのだろう。

告知用紙  発車を待っている間、NHKのスタッフが番組の告知用紙を配りに来た。2009年3月14日(土)にNHK総合で22:25から放送予定の「ドキュメントにっぽんの現場 人生を運んだ寝台特急〜東京駅発着ブルートレインラストラン(仮)」という番組で、車掌に密着取材をすると説明された。「迷惑をかけることもあるかもしれないが協力をお願いします。」とのこと。ホームにいたNHKの取材カメラはこの番組の収録だったようだ。ちなみにNHKの取材クルーは同じ車両の一番前の区画(車掌室に一番近いところ)に陣取っていた。


 18:03に出発。客車列車らしいゆっくりとした発車だ。ただし、機関車のすぐ後ろなのでフワフワした感じではなく、力が直接伝わってくる感じ。でも、大きな衝撃はなかった
 喫煙車だがたばこを吸う人がいない感じ。もしかしたら、みんな禁煙車希望だったが、空いていなくて仕方が無く喫煙車になった人なのかも。
 車内改札は横浜を過ぎてからやってきた。車掌と一緒にNHKの取材クルーも。カメラは車掌の方を向いていた。しかし、乗車券が鹿児島中央までだったので熊本から先に乗る列車のことを車掌から訊かれて答えたとき、カメラが一瞬自分の方を向いた気がした。この部分がテレビで放送されるかわからないが、もし放送されたら声は入っているだろうな。
 途中の駅にも撮影する人がホームにいっぱい。通勤客の中にも携帯電話のカメラで撮影している人がいた。いつも廃止間際になると注目されるものだが、まだ1ヶ月あるのにこの状況だと最終日はすごいことになりそうだな。

サウンドライブラリ
JR九州14系客車の走行音(熱海〜函南)

 静岡で乗ってきた人がたばこを吸い始めた。やっぱり煙いな・・・
 21:00頃に浜松到着前の放送が行われ、明朝まで案内放送は休止となる。そして、減灯が行われた。思ったより早く減灯するんだな。早い時間に出発する夜行列車に乗るのが初めてなので、余計早く感じるのだろう。ちなみに、急行「能登」や快速「ムーンライトえちご」(共に座席車)では0:00頃の減灯だった。
 外の景色は真っ暗でほとんど見えないのでパソコンでこのレポートを書いたり、本を読んだりしていた。寝ている人が多くなってきたので、自分も眠ることにした。眠くなれば発電エンジンの音もあまり気にならない。(個人差はある。)意外と快適に眠ることができた

山にかぶる霧  翌朝起きると晴れていた。しかし、山のところには霧が流れ込んでいた。霧が水のように流れて広がっていくのが見えて幻想的な感じだった。


「はやぶさ・富士」ヘッドマーク  8:32に下関駅へ到着する。機関車交換が行われるためホームへ降りてみた。東京から牽引してきたEF66形電気機関車に取り付けられている「はやぶさ」と「富士」の一体ヘッドマークを撮影。


EF66形電気機関車が切り離されたところ  EF66形電気機関車が切り離されたところ。ホームには撮影のために乗客が一斉に降りてきてイベント状態


EF81形電気機関車が連結されるところ  関門トンネル用のEF81形電気機関車が連結される。この機関車にはヘッドマークが取り付けられていない。連結が終了すると、すぐに発車なので車内に戻る。


 下関駅を発車すると大きな車両基地の横を通る。しばらくするとトンネルに入った。そしてすぐにトンネルを出る。トンネルを出るとすぐに門司駅だ。下関駅から門司駅まで8分。関門海峡越えは意外とあっさり。鉄道の海底トンネルでは青函トンネルも通ったことがあるが、あれはトンネルに入るまでが長くてじらされる感じだし、トンネルも長くてそれ自体がイベントという感じだった。
 ここからJR九州に突入する。JRで唯一乗車したことがなかったJR九州に初乗車だ。

サウンドライブラリ
JR九州14系客車の走行音(下関〜門司)

EF81形電気機関車が切り離されたところ  門司駅に到着すると、すぐにEF81形電気機関車が切り離される。今度はホームへ降りずに客車の先頭部デッキから見てみた。


ED76形電気機関車が連結されるところ  しばらくすると、ED76形電気機関車が連結される。この機関車には前後に「はやぶさ」のヘッドマークが取り付けられている。門司駅からは大分行きの「富士」と分かれるので、6号車と7号車の間では切り離し作業も同時に行われているはずだ。


ムービーライブラリ
寝台特急「はやぶさ」ED76形電気機関車連結(門司駅) (YouTube)

 JR九州に入ってから発車・停車の時の衝撃が大きくなった。今までと明らかに違う。機関車が変わった関係なのか・・・運転士の運転の仕方が原因なのか・・・
 博多近辺では前方に列車が詰まっているのかダラダラ流して走る感じになったり、他の特急列車に抜かれたりした。特急なのに特急から抜かれるために運転停車するとは・・・同じ特急でも遅い客車列車は邪魔になっているのがわかる。
 博多を過ぎてから終点までは順調。特急らしい走りでラストスパート。

熊本駅に到着した「はやぶさ」  終点の熊本駅に到着した「はやぶさ」。17時間46分の長い旅が終わった。でも、退屈はしなかった。昔なら食堂車やロビーカーがあってもっと楽しめたんだろうな。


ムービーライブラリ
寝台特急「はやぶさ」回送(熊本駅) (YouTube)

 熊本駅で途中下車のため、有人改札口で乗車券に途中下車印を押してもらった。記念にもらうため、一緒に「はやぶさ」の特急券に無効印を押してもらったが、JR九州では無効印ではなく乗車記念使用済印だった。無骨な「無効」よりは旅の記念になって良いね。

出発(新前橋〜東京)
出口
熊本市交通局 市電 その1

アルフの部屋Copyright (C) 1996-2017 Yoshinori Adachi