立山黒部旅行 4.特急「うなづき10号」戻る

4-1.宇奈月温泉駅
訪問日2018年5月3日(木)

宇奈月温泉駅
 宿泊地の富山駅前へ向かうため、再び富山地方鉄道の宇奈月温泉駅へ来た。駅前には温泉地らしく、温泉の噴水があった。

 新黒部駅から宇奈月温泉駅へ来る時は、富山地方鉄道独自のICカード「ecomyca」が買えなかったので、宇奈月温泉駅で買うことにした。しかし、カード発券機はなく、窓口での発売のみ。しかも、駅員が少ないのか窓口と改札を一人でやっているようで、改札中はカードを買うことができない。
 電鉄富山駅まで乗車する特急「うなづき10号」には指定席が付いているので、あらかじめ予約しておいた。(予約は駅に電話するという原始的なシステム。)指定席券の受取は、やはり窓口のみ。ちょっと不便だな。また、自動化されないのに人が少なくて、駅員の負担が大きい感じがした。なお、乗車券と特急券は券売機で買える。

ecomyca専用改札機
 ecomyca専用改札機。改札機と言っても扉は付いていないので、Suicaの簡易改札機みたいなものだ。ただし、ICカードリーダーが、バスなどで使われている車載タイプ。入場側(写真右側)には乗車口に付いているタイプ、出場側(写真左側)には運賃箱に付いているタイプが取り付けられている。無人駅では駅の改札ではなく車内精算になるため、車両側に合わせたシステムになっているのだろう。

4-2.特急「うなづき10号」
乗車日時2018年5月3日(木) 14:47発~16:01着(1時間14分)
列車特急「うなづき10号」 UN10
車両富山地方鉄道 16010形電車
乗車区間富山地方鉄道:宇奈月温泉~(本線)~電鉄富山
乗車券類ecomyca
運賃:1,660円
特急券
指定席券
指定席券:220円

富山地方鉄道 16010形電車
 特急「うなづき10号」は16010形電車「アルプスエキスプレス」の3両編成で運転される。この車両は西武鉄道の5000系電車「レッドアロー」の車体を譲り受けたもの。外観は西武鉄道時代とほぼ同じ。走行機器などはJR485系電車の廃車発生品を流用している。また、2編成ある富山地方鉄道16010形電車の内、今回乗車する編成は観光列車「アルプスエキスプレス」へ改造されたタイプ。
 観光列車への改造デザインは、JR九州の車両デザインでおなじみの水戸岡鋭治氏が担当している。

運転室後部デッキ
 運転室後部デッキの様子。特急車両だが普通列車にも使用されるため、ICカードリーダー付き整理券発行機、運賃箱、運賃表示器などが備わっている。

自由席車
 1号車・3号車は自由席車で、西武5000系電車時代から大きく変化していないリクライニングシートが並ぶ。「水戸岡デザイン」らしく、床、荷棚の端部、座席の肘掛けなどに木材が使用されているが、おとなしめのデザイン。

指定席車
 2号車は指定席車で、内装が全く異なっている。典型的な「水戸岡デザイン」で、木材を多用した内装。ダウンライトの落ち着いた照明。窓向きのカウンター席や飾り棚のあるソファシートなど多彩な座席配置。

売店カウンター
 指定席車には売店カウンターもある。

 220円の指定席券を追加するだけで、「水戸岡デザイン」の観光列車に乗れる。でも、乗車した感想としては、満足できるものでは無かった。確かにハードウェア(内装デザイン)はJR九州の観光列車と同レベルだが、ソフトウェア(サービス)が無い。アテンダントが乗務しているが、売店カウンターで客が来るのを待っているだけ。観光案内は無いし、記念撮影ボードを持って車内を回るようなこともしない。ただ、観光地からの帰り(上り列車)だから控えめで、観光地へ行く(下り列車)だと積極的なサービスがあるのかもしれない。
 この列車は黒部や立山という観光地への移動手段という面が大きいように感じるので、その道中では観光サービスを提供しづらいのかも。移動の途中(沿線)に観光要素があるか、列車に乗ること自体が楽しめるもので無いと観光列車として成り立たない。「水戸岡デザイン」を採用することで、乗ること自体を楽しめるようにする狙いがあるのかもしれないが、「ハードは用意しました、ソフトは無いので勝手にどうぞ」という感じでは楽しめないと思う。

電鉄富山駅に並ぶ列車
 終点の電鉄富山駅に到着した特急「うなづき10号」(中央)。左側に止まっている車両も同じ16010形電車だが、こちらは「水戸岡デザイン」になっていない車両。右側は東急8590系電車を譲り受けた17480形電車。

電鉄富山駅の改札口
 電鉄富山駅の改札口。ICカードは自動改札機、切符は有人改札と完全に分離している。

電鉄富山駅
 大きな駅ビルになっている電鉄富山駅。富山駅(JR・あいの風とやま鉄道)と隣接している。

3.黒部峡谷鉄道(上り) 出口