トロッコ列車「シェルパくん」
路線
碓氷峠鉄道文化むら ぶんかむら〜とうげのゆ
車両
碓氷峠鉄道文化むら DB201形ディーゼル機関車+UTBT-05形客車
乗車日時
2006年8月13日(日) 10:00発
乗車券類
碓氷峠のトロッコ列車往復割引セット券

 2005年3月から碓氷峠鉄道文化むら内でトロッコ列車「シェルパくん」の運転が始まった。旧信越本線の下り線を使用して2.6kmの区間を走行する。ただし、廃止路線を利用した遊戯施設(アトラクション)であり、国土交通省が管轄する鉄道ではない。つまり、2.6kmの区間全てが碓氷峠鉄道文化むらの内部であり、遊園地の乗り物と同じ扱いである。

ぶんかむら駅  碓氷峠鉄道文化むらの入口から入って右手にある、ぶんかむら駅。


トロッコ列車  ぶんかむら駅に停車中のトロッコ列車。先頭部は開放型の展望車になっている。とうげのゆ行きではこの展望車を先頭に進んでいく。


開放型客車の車内  窓ガラスのない開放型客車の車内。木製ベンチのクロスシートになっている。


前面展望(ぶんかむら駅)  ぶんかむら駅に停車中の前面展望。右側の線路は動態保存されているEF63形電気機関車が入線する。ここから300mはトロッコ列車との共用区間。


ムービーライブラリ
碓氷峠鉄道文化むらEF63形電気機関車(ぶんかむら駅) (YouTube)

 後ろに連結されたディーゼル機関車の推進により、列車が動き出す。速度はゆっくりだが開放型展望車なので、さわやかな風が心地よい
 かつて特急「あさま」に乗車して通ったことのある線路をトロッコ列車で進んでいく。信越本線の横川〜軽井沢が廃止されて9年立つが、未だに架線柱や架線が残っている。今乗っているトロッコ列車が園内遊戯施設の乗り物だとは思えない感じだ。

ムービーライブラリ
碓氷峠鉄道文化むらトロッコ列車の前面展望(ぶんかむら〜まるやま) (YouTube)

前面展望(まるやま駅)  しばらく進むと途中駅である、まるやま駅に到着する。ここでは5分間停車して写真撮影などが出来る。


まるやま駅  まるやま駅は旧丸山変電所前にある。


 まるやま駅を発車すると最勾配66.7‰の区間に入る。正面から見ていると勾配がきついのがより実感出来る。
 終点のとうげのゆ駅が近づいてくると左へ分岐するポイントが出現。直進側は柵でふさがれている。トロッコ列車は左側へ進んだ。そして、とうげのゆ駅に到着。勾配の途中に駅を設置することが出来ないため、本線から分岐するようになったのだろう。
 ただし、実際には左側のとうげのゆ駅に向かう方が直進で、本来の信越本線側が右へ分岐するようなポイント形状になっている。

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碓氷峠鉄道文化むらトロッコ列車の前面展望(まるやま〜とうげのゆ) (YouTube)

とうげのゆ駅に到着したトロッコ列車  とうげのゆ駅に到着したトロッコ列車。1両目は開放型客車、2両目は通常客車になっている。一番後ろがディーゼル機関車だ。開放型客車の乗降口は戸袋が作れないので折り戸、通常客車の乗降口は引き戸になっている。また、通常客車の戸袋部分はロングシートになっている。つまり、通常客車はセミクロスシート車
 開放型客車の連結面を見ると「UTBT-05002」という形式名が書かれていた。「UTBT」とは、たぶん「Usui Touge Bunkamura Torokko」の事だろう。「05」は2005年製、「002」は2両目という意味だと思う。(通常客車は「001」?)


機関車側から見たトロッコ列車  機関車側から見たトロッコ列車。ぶんかむら駅に向かうときはこちらが先頭になる。客車はこのトロッコ列車運転に合わせて新製された車両だが、機関車は碓氷峠専用の保線用モーターカーをJRから引き継いだ車両。小さいながら66.7‰の急勾配に対応した強力機関車だ。遊戯施設とはいえ「本物」の操作技術が要求される運転士は年配の方だったので、たぶん引退した元JR運転士だろう。


とうげのゆ駅からぶんかむら駅方面を見る  とうげのゆ駅からぶんかむら駅方面を見たところ。急な下り勾配になっているのが分かる。ポイントから右手前がとうげのゆ駅で、左側が軽井沢方面


軽井沢方面  ポイントから軽井沢方面へ分岐したところには、柵が置いてある。ここから先、軽井沢までもちゃんと線路は残っていて、現在復活に向けて検討が進められている。そして2007年10月に観光鉄道として開業する予定。さすがにあの距離を遊戯施設として運転するのは無理があるので本当の鉄道として復活するのだ。


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碓氷峠鉄道文化むらトロッコ列車走行(とうげのゆ駅付近)

遊歩道  トロッコ列車は旧信越本線の下り線を走っているが、上り線は遊歩道として整備されている。線路を残したまま舗装された道。上には架線も残っている。遊歩道は横川鉄道文化むらの外なので、無料で通ることが出来る。


トロッコ列車  開放型展望車を先頭に勾配を登ってきたトロッコ列車。


トロッコ列車  後ろから列車を押し上げていく機関車。


サウンドライブラリ
碓氷峠鉄道文化むらシェルパくん(ぶんかむら〜まるやま)

EF63形電気機関車  ぶんかむら駅から300mの地点までは動態保存のEF63形電気機関車もやってくる。


ガイシ  EF63形電気機関車の運転区間までは電化されているが、その先は架線は残っていても電気は流れていない。境目にはデットセクションというかガイシが直接挿入されて絶縁されている。


 観光鉄道として全区間復活に向けて検討が始まった横川〜軽井沢。どうなるのか楽しみだ。

横川駅(2003年)
出口
横川駅(2009年)

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