富山ライトレール
車両
富山ライトレールTLR0600形電車
路線
富山ライトレール富山港線 富山駅北〜岩瀬浜
時刻
10:30発、10:54着
乗車日
2006年5月1日(月)

 2006年3月1日に廃止されたJR富山港線が2006年4月29日に第3セクターの富山ライトレール富山港線として開業した。JRのローカル線が第3セクター会社化されるのは珍しくないが、富山ライトレールは普通鉄道が路面電車(ライトレール)化された初の事例だ。JRとしての廃止から富山ライトレールとしての開業までに2ヶ月ほどのブランクがあるのは、設備の転換工事があったためだ。
 JR富山港線には2年前に乗車(レポートはこちら)しているが、ライトレール(LRT)として生まれ変わった富山港線に乗車してみた。

富山駅北  富山ライトレール富山港線の始発駅である富山駅北。JR富山港線のうち富山駅〜富山口駅〜奥田中学校前踏切は廃止され、代わりに路面を走る区間が新設された。富山駅北はJR富山駅北口の駅前に作られている。


富山駅北からインテック本社前方面を見る  富山駅北からインテック本社前方面を見たところ。


TLR0600形電車  富山駅北に停車中のTLR0600形電車。折り返し岩瀬浜行きとなる。TLR0600形電車は7編成あり、編成毎に色が異なっている。黄色は第3編成だ。
 最近の路面電車(LRV)では主流の低床車両で段差はない。新潟トランシス製の車両だがドイツのメーカーからのライセンス製造なので、外観や内装はヨーロッパのLRV風だ。


TLR0600形電車の運転台  運転台には左右2つづつ液晶モニターが付いていて車両側面からの映像が映し出される。路面区間での安全確認には必須だ。(ミラーの代わり。)


 運賃は200円均一だが後払いなので、乗車するときは車両中程の乗車口から乗るだけ。ちなみに2007年3月31日までは平日の昼間と土曜・休日は運賃が半額になるという、かなり太っ腹なサービス中
 まだ開業したばかりで体験乗車と思われる鉄道ファンや地元の家族連れなどで車内はかなり混雑していた。
 富山駅北を発車すると、道路の端を走っていく。しばらく進んで交差点を右に曲がると道路中央の走行になる。最初の停車駅であるインテック本社前は、富山ライトレールで唯一の道路上にある電停だ。路面をのんびりと走っていき、左に曲がって道路から分かれると奥田中学校前だ。ここまでが新設の軌道区間(路面電車)で、ここから先は既存(元JR富山港線)の鉄道区間になる。
 鉄道区間に入るとスピードが上がる。軌道区間はレールも新しく低速だからか、ほとんど揺れない感じだった。しかし、鉄道区間では揺れが大きくなった。さらに、JR時代と比べると、低床車であり目線が低くなっているため速度の割にはスピード感は高い
 JR富山港線の頃から駅間は短くこまめに止まる感じだったが、鉄道区間ではさらに3駅(奥田中学校前を含む)が増えている。全線単線だが交換可能な駅も増えて、すれ違いも多い。運転本数も増えて(1時間1本が1時間4本程度に)便利になっている。
 終点の岩瀬浜に到着した。先頭のドアから運賃を支払って降りる。富山ライトレールではpasscaという非接触ICカードを導入しているので、passca利用者は運賃箱のカードリーダライタにタッチするだけでOk。

ムービーライブラリ
富山ライトレール 車窓風景(インテック本社前〜下奥井) (YouTube)

岩瀬浜駅  岩瀬浜駅はだいぶ変わっていた。木造の駅舎が取り壊され、駅前広場が整備されていた。


岩瀬浜駅  電車とバスが対面で乗り換えられるようになって、便利になった岩瀬浜駅。


車両
富山ライトレールTLR0600形電車
路線
富山ライトレール富山港線 岩瀬浜〜奥田中学校前
時刻
11:16発、11:35着
乗車日
2006年5月1日(月)

TLR0600形電車  岩瀬浜駅に到着する紫色の第7編成。折り返し、富山駅北行きになる。


 折り返しは鉄道区間と軌道区間の境界になる奥田中学校前まで乗車してみた。

奥田中学校前からインテック本社前方面を見る  奥田中学校前からインテック本社前方面を見たところ。レールが右にカーブして道路に入っていく。JR時代は道路に踏み切りがあり、真っ直ぐレールが延びていた。


廃線区間  奥田中学校前踏切のあったところから先には、レールが撤去された廃線区間が残っている。


奥田中学校前に到着する電車  奥田中学校前に到着する、鉄道区間を走ってきた富山駅北行きの電車。緑の第5編成だ。


軌道区間を走行する電車  一方こちらは軌道区間を走行する岩瀬浜行きの電車(第7編成)。交差点の赤信号で停車中だ。


奥田中学校前に到着する電車  奥田中学校前に到着する、軌道区間を走ってきた岩瀬浜行きの電車(第7編成)。


奥田中学校前に停車する電車  奥田中学校前に停車中の岩瀬浜行きの電車(第7編成)と富山北行きの電車(第5編成)。


 鉄道線と軌道線を直通運転する路線は以前からあったが、既存の鉄道と新設の軌道を一体整備したライトレール化は初めてだろう。新しい都市交通の方法として注目だ。
 JR富山駅の高架化が完了後、富山駅北からさらに軌道を延長して富山地方鉄道市内線と接続する計画もある。さらなる富山ライトレールの発展に期待したい。

ムービーライブラリ
富山ライトレールTLR0600形電車走行(奥田中学校前駅) (YouTube)

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