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確実、鍵盤入力
 昨年、「はなうたくん」で簡単に曲作りをしようとしたがうまくいかなかったのでMIDIキーボード(鍵盤)を買うことにした。妹がエレクトーンを習っていた関係で家にエレクトーンがあった。自分は習っていないが子供の頃から鍵盤で演奏はしていたので(下手だけど。)曲のイメージをダイレクトに入力するにはやはり鍵盤が一番だと思った。
 キーボードはいろいろな物があるが、音源はすでにあるので、音源なしのキーボードを買うことにした。キーボード単体では何もできないタイプだ。キーボードと音源を直結すれば、音源付きキーボードと同じように使える。キーボードと音源の間にパソコンを接続すればキーボード入力した物を取り込んで編集し、それを演奏させることが出来る。
 「はなうたくん」と比べると音階の入力は正確に出来るので、変な曲にはならなくなった。しかし、人の演奏という物はやはり音長が正確でないので楽譜にすると結構ずれている。リアルタイム入力できるソフトを買ってないので「はなうたくん」に付属の物をそのまま使っていた。だからクオンタイズもできない。入力後の修正はやっぱり大変だった。でも、これはソフトの問題だから、ソフトさえ良い物を買えば解決するのだ。
 やはり、キーボードの方が実用性は高い。(当たり前か。)

ゲームのMIDI音楽を取り込もうと思ったが・・・
 ローランドからMIDIファイルプレイヤSB-55(SC-55じゃないよ。)が発売された。形はSC-55に似ているが、音源ではなく一種のシーケンサである。3.5インチフロッピーディスクドライブが搭載されていて市販のMIDIデータ集を再生したり、自分で入力した曲を記録したり出来る。また、フロッピーディスクは2DDのDOSフォーマットなのでパソコンで作った標準MIDIファイルをコピーすれば、オリジナルデータ集が簡単に演奏できる。MIDIで「聴く」ための周辺機器だ。
 面白そうなので買ってみたが、パソコンには3.5インチドライブがなかったので、ファイルをコピーするというわけには行かない。そこで、パソコンで通常通りMIDI演奏を行い、それをSB-55で録音(記録)するという手段でオリジナルデータ集を作った。これで、パソコンと独立してMIDI演奏が出来るのでBGMにも使える。

 自作の曲データや他のフリーのデータは好きなときに好きな曲を簡単に演奏できるからわざわざSB-55を使わなくても良いのだが、問題はゲームミュージックだ。MIDI対応のゲームもぼちぼち増えてきてハイクオリティサウンドでゲームが楽しめるのだが、その曲をいつでも聴きたいとなるとちょっと難しい。たいてい独自のデータ形式だったりするので簡単に再生できない。
 そこで、SB-55の登場となる。ゲームをプレイしているときにSB-55で記録してしまえば、あとで好きなときに演奏させることが出来る。つまり、リアルタイム再生・記録で独自形式のデータを標準MIDIデータにコンバートするような物だ。
 早速やってみると・・・順調に記録していたが突然、演奏がストップしてしまう。SB-55がエラーになってしまうのだ。マニュアルで調べるとバッファオーバーフローとのこと。原因は大量のMIDIメッセージが来たため処理限界を超えたことによる。ゲームの曲はよりよい音で演奏するために細かい制御していたりする。そのため自作データとは比べ物にならないぐらい大量にMIDIメッセージが流れていたのだ。ゲームの曲はほとんど記録できないことがわかった。
 たんに、記録できないならまだ良いのだが、記録していない状態でもバッファオーバフローが発生するのだ。とにかくSB-55のMIDI INに入ってきたデータはすべて内部のバッファを通るようだ。だから、ゲームをしているといきなりBGMが止まってしまう。MIDI THRUに音源をつなぐとエラーに関係なくデータは流れているのでゲームは問題ない。しかし、それではSB-55で再生した曲を演奏できない。
 パソコン->SB-55->音源というつなぎ方をやめて、パソコン->音源->SB-55->パソコンというつなぎ方にした。パソコンで演奏するときは音源直結だから問題ない。パソコンで演奏してSB-55で記録するときは音源のMIDI THRUを経由する。SB-55で演奏するときはパソコンを経由する。
 しかし、パソコンのMIDIインターフェイスにはMIDI THRUがないのでパソコンの電源が入っていないとSB-55で演奏する事は出来なくなった。完璧な解決方法がない!

マルチメディア対応高速モデム
 友人とやっていた「完全手動送受信電子メール」にグラフィックとかMIDIデータとかたくさん入れるようになってきて通信時間が長くかかるようになった。そこで、高速2400bpsモデムに買い換えることにした。従来の1200bpsと比べると倍の速度、時間は半分!速くて快適だ。
 しかし、データ通信が早く終わる分、電話機での会話が長くなり電話代は全然安くならないのであった。

キャプテンでネットサーフィン!?
 モデムも高速になったことだし、キャプテンに加入してみることにした。従来、キャプテンには専用端末が必要だったが、モデムとキャプテンソフトがあればパソコンでもアクセスできるようになったのだ。
 キャプテンの加入料は800円。あとは使った分の通信料が課金されるだけ。通信料は普通の電話通信料と同じで3分10円。しかし、全国均一料金なので東京から北海道のサービスにアクセスしても市内料金である。安い!  キャプテンのサービスは、IPの番号(電話番号みたいなもの)を入れることによって接続される。接続されたらメニューに従って番号を選んでいくだけで画面が遷移していく。「JR情報センター」に接続して新幹線の座席指定もした。
 面白いのはメニューの中に別のサービスへジャンプするものもあり、知らないうちに北海道のIPにアクセスしたり、九州のIPにアクセスしたりしていることもあった。これは、まさに現在流行の「ネットサーフィン」と同じ感覚だ。キャプテンとインターネットの違いはあるが、IP番号がアドレス、IPがWebサーバ、別のサービスへのジャンプがリンクにそれぞれ対応する感じ。

 まだ、今のようにインターネットが一般に使われていなかったこの頃は、画期的なニューメディアだと思った。

感動のMIDIサウンド
 ローランドから従来のCM-64系統の音源とは全く違う新しいGS規格音源というのが発売された。CM-500、CM-300、SC-55と3機種あった。MIDI対応ソフトがCM-64系統をサポートしていた現状、新しい規格といっても対応ソフトがないんじゃ意味ないと思っていた。そもそもGS規格というのがよくわからなかったし。
 友人も自分と同じCM-32Lを持っていたが、GS規格に興味があるようだった。規格はともかく内蔵している音源部分がCM-32LのLA音源からPCM音源になり音質が向上したからだという。
 そこで、友人がGS規格音源を買うというので、一緒に秋葉原のソフマップに行った。まず、3機種の違いだが、CM-300を基本モデルとし、CM-500はCM-300+CM-32L、SC-55はCM-300に操作パネルや液晶ディスプレイを付けたもの、となっている。やはり従来との互換性を考えるとCM-32Lを含んでいるCM-500がいい。しかし、売値で10万円とちょっと高い。2時間ほど店で悩んだあげく、友人が買うことを決定した。しかしお金が足りないので2万円ほど貸すことになった。その条件として、このあと自分の家に来て音を聞かせてもらうことになった。

 早速、CM-32Lの代わりにCM-500を接続する。GS規格データがないと意味なかったが、ちょうどSB-55を買ったときにSC-55用(つまりGS規格)のデータが入ったディスクが付いていたのだ。それをSB-55で演奏させる。
 すると!凄い!!今までのCM-32Lもパソコン用FM音源から比べれば「本物の楽器の音」だったが、CM-500の音を聞いた瞬間、CM-32Lは「偽物の音」だったことを実感した。全然、音質が違う。この瞬間、自分も買うことに決定し、1週間後、買ってしまった。

 この時点でのPC-9801RX21スペック

3台目32bit 486パソコンを買う
 そろそろ16bitパソコンではスピード的に不満が高まってきた。次に買う機種を何にするかということになるが、結構すんなり決定した。DOS/V機(AT互換機)も普及しつつあったが、互換性のない機種をいきなり買うつもりないから除外。もちろん98シリーズを買うことにする。
 NECから「98Multi」PC-9821という新機種が発表された。今までは「01」だったのに「21」である。マルチメディアを重視したスペックで魅力的な部分も多かったのだが、CPUがi386なのがちょっといまいちだった。すでにi486の時代に入っていたから。あと、今までPC-9800シリーズには「PC-9801」ではなく「PC-98」とか「PC-H98」という機種があった。これらは実験的な要素が含まれた機種で正当派シリーズとはちょっと毛色が違っていた。それを考えると「PC-9821」も長続きしないシリーズだと思ったのだ。

 そこで、発売後1年ぐらい経って、買える値段になってきたi486SX搭載のPC-9801FA2を買うことにした。
 しかし、買って2ヶ月しないうちに「98MATE」PC-9821Aシリーズが発表され、もうちょっと待てば良かったか?と思った。(予想が外れたな。)  その後、98シリーズはAT互換機を強く意識した「21」へ移行し、「01」も価格競争のために機能を思いっきり削減した廉価版となっていった。PC-9801FA2は初代以来続いた正当派「98」の最後の機種だったのかもしれない。

ほとんど使えないWindows3.0
 せっかく32bitの新しいパソコンを買ったのだからと、時代を先取りしてMS-Windows 3.0を入れてみた。Windowsアプリケーションなんてほとんど発売されていないので、使い道がないのだが。
 使い道といえば、DOSアプリケーションを複数同時に立ち上げるとか。でも、遅いし、動作も不安定ですぐ固まる。リセットボタン押しまくりだった。実用的ではないね。DOSアプリケーションはDOSで動かすのがいい。

 MS-Windows 3.0の拡張セットに「Windows MME」というのがあった。MMEとはマルチメディアエクステンションのことで、マルチメディア機能を拡張するものである。現在のWindowsでもおなじみのメディアプレイヤやサウンドレコーダなどはこのセットに入っており別売りだったのである。

 WindowsでやることがメディアプレイヤでMIDI演奏とソリティアで遊ぶ、だけじゃもったいないので「WingZ」という表計算ソフトを買った。また、「完全手動送受信電子メール」の文書を「一太郎」からWindows 3.0標準の「ライト」に変更して多少、Windows化が進んだ。でも、パソコンを使うメインはDOSだった。

 この時点でのPC-9801RX21スペック
 この時点でのPC-9801FA2スペック



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