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期待はずれのハンディスキャナ
 この頃グラフィックを描く手段といったら、BASICのコマンドで描くか、グラフィックソフトでマウスを使って描くかのどちらかだった。
 BASICだと座標を正確に取り込めば、きれいなグラフィックを描くことが出来るが、座標を取り込むのが大変だし、間違いがあったときのデバッグも大変。マウスで描くとリアルタイムに絵が完成していくので視覚的でわかりやすいが、細かいものを描くのが大変。直接マウスだとうまくかけないので、いったん紙に描いたあと座標を取り込んだり、見ながらマウスで描いたりした。

 もっと手軽にグラフィック取り込みするには、スキャナしかない。フラットベット型のカラーイメージスキャナは20万円ぐらいするので、買えないし。(あまり利用頻度も高くないし。)手軽なものとなるとハンディイメージスキャナだ。
 パソコンショップをのぞいていると3万円ぐらいで買えるハンディイメージスキャナがあった。モノクロ取り込みしかできないが。それでも、取り込んだあとに自分で色づけすればかなり楽になる。
 オムロンのシリアルポートに接続するタイプのものを買った。それで取り込んでみると・・・ドットが荒い!写真などを取り込んだ場合、近くで見るとランダムに点が描いてあるだけの模様に見える。離れて見ると取り込んだものだとわかる。自分で紙に書いた線画を取り込むと、きれいな線で取り込まれるのではなく、やはり点の集まりで取り込まれてしまう。
 これでは、取り込んだ後にそのまま色づけするというわけにも行かない。点の集まりを自分で線になおすという作業が増える。まあ、何もないところから描くよりはより良い絵を描けるようにはなったが。ちょっと期待はずれのスキャナだったな。

必須!メモリ増設
 昨年、SCSIハードディスクを導入したときに「一太郎 Version 3.0」が使えないという現象が起きた。理由は「ATOK6」がSCSIに対応していないということだった。そこで、「一太郎 Version 4.3」を使うことにしたのだが・・・
 「ジャストウィンドウ」という独自のマルチタスクウィンドウ環境で動作するようになったので「一太郎」と「花子」を同時に動かすことが出来るようになった。「一太郎」自体も高機能化しているのだが、メモリを多く使用する。EMSメモリがないとすべての機能を使うことが出来ないのだ。
 「一太郎」で文章を打っていて、何か編集しようとすると「使えません。」の一言。これじゃまともに使えないよ。ということでメモリを増設することにした。買ったのはメルコの4MBytes EMSメモリ。Cバススロットに入れるタイプだ。約5万円とまあまあの値段。
 「一太郎」の「使えません。」攻撃から逃れることが出来た。RAMディスクも使えるようになったのでテンポラリファイルはそこに作って処理速度も向上。
 ゲームしかしないのならともかく、これからはメモリ増設が必須だなと思った。

ハイクオリティサウンドMIDI音源!
 X1turboIIでステレオFM音源8chという環境だったので、98のモノラルFM音源3ch+SSG音源3chには物足りない気がしていた。譜面を見ながら打ち込んだりしてもパート数が足りなくなるし。
 この頃は、パソコンショップに行くとたいていコンピュータミュージックコーナがあって、音楽演奏のデモンストレーションをやっていた。それは、今までのパソコンに内蔵するサウンドボートとは違い、MIDIにより電子楽器を自動演奏させるものだった。「楽器」を演奏するものだから当然音質はすばらしい。パソコン用FM音源とは格が違う。そのかわり値段も高いが。

 ローランドから手軽にコンピュータミュージックが楽しめるセットとして「ミュージ郎」というのが出ていた。MIDIインターフェイスとMIDI音源モジュールとソフトがセットになったもの。音源モジュールがCM-64の「ミュージ郎」とCM-32Lの「ミュージ郎Jr.」があった。
 CM-32LはLA音源9ch(最大同時発音32音)、191音色プリセット(リズム、SE含む)というかなり本格的なもの。CM-64はCM-32LにPCM音源6ch(最大同時発音31音)、64音色プリセットを追加したもの。
 CM-64セットの方は高いし、CM-32Lに別売りのCM-32Pを追加すれば、CM-64と同じに出来るので、とりあえず「ミュージ郎Jr.」の方を買うことにした。

 やっぱり、違うね〜。パソコンでこんなすばらしい音を演奏できるのには感動した。ただ、ゲームソフトなどはほとんど対応していないので従来通りFM音源+SSG音源だけど。あと、CM-32Lに採用されているLA音源って音色によっては凄く本物っぽいんだけど、一部FM音源のように作られた音(本物と違う)という感じの音色がある。
 ただ単に楽譜を打ち込んだだけだと、添付されているサンプル曲や市販ソフトの曲のような迫力ある音楽にならないんだよね。う〜む。なかなかテクニックが必要のようだ。

元祖電子メールスタート
 友人が2400bpsのモデムを買ったというので、今まで使っていた1200bpsのモデムを安く譲ってもらった。PC-VAN等の大手商業ネットはあったが、よくわからないし、そんなに興味がなかったので加入はしなかった。では、何に使うかというと「手紙」の送受信だ。
 「一太郎」で打った文書ファイルやその他画像ファイルなどを圧縮して1つにして送る。送ると言っても、インターネットやパソコン通信の電子メールとは違い、メールサーバを介すのではない。
 まず、「手紙」を送る日を決めておく。そして、その日になったら、まず相手に電話をかけて「手紙送るよ。」と言って送受信準備を行う。一旦電話を切ったあと、受信側はモデムを着信待機状態にする。送信側は相手の電話にモデムで発信する。回線が接続されたら、それぞれ送受信を行う。
 完全手動送受信電子メールなのだ。現在の電子メールのようにいつでも好きなときに手軽に送れるというものではなかったが、「紙の手紙」から比べるとすぐに送れて、しかも文章だけでなく画像データや音楽データも送れてしまうので画期的だった。しかも送料は電話代のみ。(千葉県柏市から埼玉県与野市までだったから電話代がちょっと高いが。)
 今のパソコンユーザって、モデムで発信はしていても、着信はしないな。

鼻歌で作曲しよう
 いままで、パソコンで音楽演奏するとしたら、BASICのMMLでプログラミングするか、音楽ソフトに譜面を打ち込むかのどちらかだった。既存の曲は楽譜を見ながら打ち込めばいいのでそんなに大変じゃないが、自分で作曲したり、既存の曲でも楽譜がない場合は自分で楽譜を起こして打ち込まなければならないので凄く大変。
 ローランドからピッチ・トゥ・MIDIコンバータ「はなうたくん」という物が出ていた。その名の通り、鼻歌をマイクに向かって歌うと、それがMIDI信号に変換されるというもの。それをパソコンで取り込めば簡単に作曲できる!

 早速買ってみたが・・・まともな曲にならないよ〜。人の声というのがいかに震えていて、いい加減なものかがわかった。「あー」と声を出しただけでも、変換されたMIDIデータは激しく音階が上がったり下がったりしている。ちょっと鼻息や息が出ただけでも変な音階が付加されてしまう。
 さらに、出来上がったMIDIデータを楽譜としてみると、メトロノームのタイミングに合わせて歌ったはずなのにグチャグチャにずれて訳がわからない。(今の音楽ソフトには当たり前のようにあるクオンタイズ機能がなかったし。)譜面上での修正をする気にもならない。

 「はなうたくん」で作ったMIDIデータを友達にあげたら、「マイクに向かって歌っているのが目に浮かぶし、変!」と言われてしまった。遊びには使えるけど実用性はまるでなしだね。

 この時点でのPC-9801RX21スペック



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