JR東日本 快速「ELレトロ碓氷」
車両
JR東日本 EF64形1000番台電気機関車+旧型客車+C61形蒸気機関車
路線
JR東日本 信越本線 横川〜高崎
乗車日時
2011年9月17日(土) 15:10発、16:15着
乗車券類
ぐんまツーデーパスSP
快速「ELレトロ碓氷」指定席券

 信越本線の横川〜高崎で運転される快速「ELレトロ碓氷」は、高崎〜横川で運転される快速「SLレトロ碓氷」と対になった列車だ。横川駅に転車台が無いため、往路はSL列車として運転するが復路は運転できない。高崎〜横川でSL列車が走り始めた頃は、往路のみ営業運転して復路は電気機関車牽引の回送だった。しかし、最近では復路も営業運転するようになり、今回乗車した快速「ELレトロ碓氷」はそれに当たる。

 編成はEF64 1001号機を先頭に旧型客車4両(オハニ36 11、オハ47 2246、オハ47 2261、スハフ32 2357)、そして最後尾にC61 20号機が連結されている。ちなみに、列車名に「レトロ」が入ると旧型客車で、入らない場合は12系客車での運転となる。
 今回が旧型客車初乗車。本当は往路の快速「SLレトロ碓氷」にも乗車したかったが、満席だったので復路の快速「ELレトロ碓氷」のみの乗車となった。

EF64 1001号機  快速「ELレトロ碓氷」の先頭に立つ、EF64 1001号機。


快速「ELレトロ碓氷」の編成前寄り  EF64 1001号機、オハニ36 11、オハ47 2246、オハ47 2261と連結されている。茶色の車体で統一されていて、その名の通りレトロ。ここだけを見ると昔の列車のようだ。


快速「ELレトロ碓氷」の編成後寄り  編成後ろはスハフ32 2357、C61 20号機と連結されている。ここだけ見るとSL列車だ。


オハニ36 11の荷物室内  オハニ36 11の荷物室内を覗いてみた。車内販売のワゴンが置いてあった。荷物室は車販基地として使用されているようだ。


オハ47 2261  2両連結されているオハ47。1ボックス1窓で幅が広い窓になっている。(オハニ36も同様。)昭和30年代に製造された車両だ。


スハフ32 2357  スハフ32 2357は1ボックス2窓で幅が狭い窓になっている。昭和13年製造でJR東日本の営業用旅客車両では最も古い車両だ。


スハフ32 2357とオハ47 2261の連結部  スハフ32 2357(左)とオハ47 2261(右)の連結部。ドアの構造や車体リベットの有無など大きな違いがある。スハフ32 2357は旧型客車の中でも古い車両なのが分かる。


C61 20号機  一番後ろに連結されているC61 20号機。この列車では脇役なのだが・・・一般ギャラリーが一番注目を集めている車両だ。快速「SLレトロ碓氷」のヘッドマークを付けている。


C61 20号機の運転室内  C61 20号機の運転室内を外から見たところ。古めかしい計器やレバーに混ざって、新しいATS-PとATS-Psの表示器がある。


C61 20号機の炭水車  C61 20号機の炭水車にも新しいものが組み込まれている。前方右側(写真では奥)にATS-P装置が収納されているのは前から知っていたが、前方左側(写真では手前)にATS-Ps装置が収納されているのを(緑のラベルが貼っていあるところ)初めて見た。さらに、その下に乗務員の鞄などを入れる収納庫があるのを発見。


 旧型客車の方もいろいろ改造されて新しい部分がある。元々ドアは手動で、かつて定期列車で使用されていた頃は走行中でもドアを開けることが可能だった。(開けっ放しもあった。)しかし、現在は安全のため、走行中開けることができないように車掌室からの指令で施錠する機能が付いた。車掌スイッチ(ドアスイッチ)で閉にすると自動でドアが閉まり施錠開にすると解錠される。(ドアを開けるのは手動。)そのため、車体側面にはドアが解錠されているときに点灯する赤ランプ(戸閉め表示灯)も設置された。
 発車時間が近づいてきて、客扱いが始まった。戸閉め表示灯が点灯してドアが解錠されたので、ドアを開けて車内に入る。なお、ドアを全開にすると固定されて閉まらなくなる。

オハ47 2261の車内  オハ47 2261の車内。1960年代に近代化改造されて、あまりレトロな感じじゃ無い。窓はアルミサッシ。ブラインドはロールカーテン。メラミン樹脂化粧板の壁。国鉄末期の新型車両でも見られた設備だ。環状蛍光灯がちょっとレトロな感じ。もちろん冷房は無く扇風機が付いている。


スハフ32 2357の車内  スハフ32 2357の車内。オハ47と違ってレトロな車内。内装はニス塗りの木製だ。照明も少なく暗い感じ。さらに、冷房どころか扇風機すら無い!窓が閉め切ってあったので、車内に入ったら凄い暑さだった。
 ところで、蛍光灯が交互点灯なのは、やっぱり節電なのだろうか?2011/03/11の東日本大震災以降、電力事情から駅や車内で蛍光灯の間引きが行われているが・・・でも、旧型客車の電源は車軸発電機(走行して車輪が回ると発電される。)で充電したバッテリーだから、節電は関係ない気もする。


スハフ32 2357の車内  今回乗車するのは、4号車のスハフ32 2357。指定された席から見た車内。究極のレトロが味わえて運が良かった。


スハフ32 2357のブラインド  スハフ32 2357のブラインドは木製の鎧戸だ。


スハフ32 2357のスピーカー  デッキとの仕切りにあるスピーカーもかなり年季が入っている感じ。


スハフ32 2357の車掌室  スハフ32 2357にはデッキと客室の間に車掌室があるのだが、通路と車掌室に仕切りが無い。乗客はデッキから客室に入るときに車掌室の中を通っていく感じだ。大きな手ブレーキハンドルが目立つ。もちろん乗客は操作してはいけない。壁にはリニューアル改造で新設された車掌スイッチ(ドアスイッチ)や総括配電盤がある。


スハフ32 2357の後方  スハフ32 2357の客室から車掌室越しにデッキを見たところ。後ろに連結されているC61 20号機の炭水車が見える。貫通路には柵が設置されているがドアは無い。


 発車時間になったが、なかなか発車しない。乗り遅れている人を待っていたようだ。しばらくして牽引機であるEF64 1001号機の汽笛が鳴ると、最後尾に連結されているC61 20号機も汽笛を鳴らして出発した。この後も、C61 20号機は随所でパフォーマンスとして(運行上必要が無い)汽笛を鳴らしていた。快速「ELレトロ碓氷」でもSL列車の雰囲気が味わえる。

ムービーライブラリ
JR東日本 快速「ELレトロ碓氷」 車内・車窓風景(横川〜) (YouTube)

SL記念乗車証  発車してしばらくして乗客全員に配られた硬券乗車券タイプの「SL記念乗車証」。区間が高崎〜水上・横川となっていて、快速「SLみなかみ」と共通になっている。
 快速「ELレトロ碓氷」なのに「SL記念乗車証」を配るんだな。車内改札印も「SL C61」のデザインだし。後ろにぶら下がっていても、やっぱり主役はSLなのか。


 途中の安中駅で10分間停車だったので、デッキ周りを観察。半自動ドア化された旧型客車のドアを見てみた。

ドア施錠装置  ドアの施錠装置。車掌スイッチからの指令で施錠・解錠される。解錠されるとランプが点灯するので、ドアノブを回してドアを開くことができる。施錠装置には非常用ドアハンドルが付いているので、非常時は手動で解錠することも可能。


ドア固定装置  ドアを開いた状態で固定する装置。ドアを全開にすると電磁石でくっついて固定される。車掌スイッチでドアを閉にすると電磁石が切れて、ドアがフリーになる。


ドアクローザー  住宅等のドアで使用されているドアクローザー。電磁石が切れてドアがフリーになると、ドアクローザーによってドアが自動的に閉まる


ムービーライブラリ
JR東日本 快速「ELレトロ碓氷」 ドア閉・発車(安中〜) (YouTube)

快速「ELレトロ碓氷」  EF64 1001号機に牽引されて信越本線を快走する快速「ELレトロ碓氷」。


 北高崎駅を通過してしばらくすると上越線を乗り越えるために高架に上がる。そして上越線と合流。すると、高崎駅に到着するまで115系電車と併走が続いた。
 旧型客車が停車するときのブレーキは結構強烈。「キーッ」という甲高い音を立てて減速し、停車直前に大きな衝撃が来る。乗り心地も新しい車両とは違って楽しめた。

ムービーライブラリ
JR東日本 快速「ELレトロ碓氷」 車窓風景(北高崎〜高崎) (YouTube)
JR東日本 快速「ELレトロ碓氷」 ドア閉・回送発車(高崎駅) (YouTube)

上毛電気鉄道 デハ101臨時運転
出口
上信電鉄 デキ臨時列車

アルフの部屋Copyright (C) 1996-2012 Yoshinori Adachi